イルカ肉って、自分はこれまでに食ったことあるんだろうか。
以下、映画評。ネタバレするかもですが、悪しからず。
”The Cove (ザ・コーヴ)” 2009 アメリカ
http://thecove-2010.com/
渋谷の
イメージフォーラムで、ようやく見た。
そういう活動やってるアメリカに人たちによる、
和歌山の太地町ってところのイルカ猟の隠し撮りドキュメンタリー。
賛否両論、世界中で「事実を伝えた価値のある映像」、
はたまた「プロパガンダ映画」とかって話題に。
上映拒否運動なんかもあったものの、渦中の日本では、
ぜんぜん話題になってないな、ってのが僕の肌感。
嘆かわしいな、ってのが個人的な感覚。
去年、撮影クルーが滞在していた太地町のすぐ近くの南紀勝浦を
旅したとということもあり、なんとも興味深い映像の数々。
秘密の漁場に忍び込む過程も、ハラハラして面白い。
完全に犯罪だけど。
残虐性へのフォーカスが扇動的だ、などと批判があるみたい。
マグロの解体映像からイルカに視点を切り替えていたり、
ダイバーのねぇちゃんが涙を流しながら海を見る光景に
別タイミングに撮られたイルカが血を流しながら泳ぐ映像が
繋がれていたり、鯨肉偽装の情報信頼性が薄そうだったり、
ってネット上に指摘がヤマのように。
事実だとしたら、やりすぎな面もあるかもな、ってことには同意。
でも、ドキュメンタリーなんて視点のつむぎ合わせで、
ニュートラルたりえないものなので、基本的には受け手の自己責任。
作り手には必ずメッセージがあるんだから、
あとは、そのメッセージに対してどう思うか、は自分次第。
全体を捉えるか、部分を捉えるか、が重要なんだと思う。
血の場面は、ショッキングだけど、あくまでも部分。
これだけで、考え方や感情を決めちゃいけない。
他の家畜の屠殺なんかも同じだと思うし、人間が生きて
いくには食が必要で、牛だって、豚だって、鶏だって、
それが悪なら、必ず人間は悪を背負って、生きていく。
調和を為すため駆除をすることだってあるし、
人間が地球上に生きていけないぐらい飢える未来がくれば、
粛清しか方法がないかも知れないし、
生きていくには、泣く泣く人間を食すこともあるかも知れない。
それが悪い?
そんな瞬間は、誰だって見たくないし、
部分だけ見たら、おぞましい悪、ってことになる。
じゃあ、重要なのは、何のために殺すのか。
これが重要と思うのに、この映画は、ここの表現が
稚拙で曖昧だから、本質に切り込めなかったんだろ思う。
感情論は「部分」。
水銀の中途半端な情報を武器に「全体」の問題に迫ろうとしたが、
何が悪いのか、明らかに出来ずに終わってしまった感あり。
日本政府の悪しき性質を指摘するくだりも、論点が違う。
知りたかったのは、
水銀の問題が本当かってことと、
2万頭以上ものイルカが流通しているのか(自分は食ったことあるか)と、
しているのであればどこで消費されているんだろう、ってこと。
鯨肉偽装は情報として信頼性が低そうだし、そもそも太地町周辺の
スーパーをリサーチしただけの情報で日本を括れるわけがない。
これがないから、しっくり来ないんだろう。
銀座での該当インタビューでの認知が低いのは、
流通してないからであって、鯨も同様で、もう知らない人が多い。
問題意識の低さでなく、今じゃもう知らなくていいことなのだと思う。
うーん、まとまりつかなくなったが、内容はどうであれ、
アンテナが立ったので、自分にとっては有意義な映画だった。
★3.5こ。
考える材料として、強く見ることをおすすめたい映画の一本。
「いのちの食べ方」とあわせて。
以上、駄レビュー御免。